2019年6月3日〜5日まで、九州福岡の福岡市科学館で行われた全国プラネタリウム大会2019に、大きくバージョンアップした第2世代のペーパードームを参考出品しました。
今回は、プロが欲しがるドーム型スクリーンを目指して開発中の最新版ペーパードームをご紹介します。
今回の新型ドーム型スクリーンのコンセプトは、プロが欲しがるドーム型スクリーン。単に低コストな誰でも作れるダンボール製ドームではなく、ドーム型スクリーンとしてプロの要求に答えられる高い投影性能を持ったモデルを目指しました。
理由は2つ。
1つ目は、航空宇宙分野へ進出したいので、それに見合った性能のドーム型スクリーンが求められるため。
2つ目は、自然物や有機物の投影だと気にならなかったダンボールの断面や折り目、コネクターなどが、直線的な建物などの人工物の投影が多いVRや360°動画コンテンツが増加してきたことで、より目に付きやすくなって来たためです。
航空宇宙分野でも活躍できるかもしれないドーム型スクリーンの性能とは何だろう?と考えるところから始めて、以下の5つの目標を決めました。
1)プロジェクターの投影による内部反射を抑えつつ、高いコントラスト性能を発揮するプロジェクター専用スクリーンを用いること。
2)隙間が無いのは当然のこと、遮光性が高いこと。
3)投影の際、鑑賞ユーザーの目線を誘導する可能性のある要素(断面や繋ぎ目など)は、存在しないこと。
4)同サイズのプロ用小型ドームの1/5程度の価格を実現すること。
5)世界のどこにでも簡単に送れるor持っていける様、標準的な航空預け荷物サイズの3辺合計158cm以下の梱包に入ること。(=宅急便160サイズに収まるため、物流コストが抑えられる)
上記の想定条件をクリアした新型ペーパードームは、無事宅急便160サイズで山形から福岡に届けられたのでした。※下の箱は三脚3本とパンフなど入れた箱です。ちなみに帰りは2箱を1口にして山形まで「ヤマト便」で送れたので、配送コストは半額の約3千円で済みました。
ちょっとずつスクリーン面まで近づいてみた写真、いかがでしょうか?
この明るい会場のど真ん中、そして投影用の小型プロジェクタはフルハイビジョンとは言え1400ルーメンの明るさ、とうことを考えても、結構キレイに投影できているかと思います。
なお五藤光学研究所さんからプロジェクタとセットでお借りした、会場で投影していたドーム映像は全部で4本の番組だったのですが、「航空宇宙分野に進出したい〜」という気持ちの現れなのか、たまたま上手く撮れた写真がすべてロケットの打ち上げシーンが素敵な『MARS』(五藤光学研究所)のもので有ることは、まったくの偶然です。。。ごめんなさい。
この新開発のペーパードームが航空宇宙分野で使える性能なのかどうか?は、その分野のプロの眼でみていただかないと分からないことです。
今回は天文宇宙分野の専門家の方々の眼で見ていただき、いろいろ貴重なご意見&ご感想をいただきました。昨年は普通のダンボール製のHD150&同じプロジェクタを使って展示していたので、昨年のモデルを見ていただいていた方達は、とても驚かれ&関心を寄せていただけたのが嬉しく思いました。
悔やまれるのは、この展示に使ったモデルは1つ前のプロトタイプである事と、会場都合で分解して持って帰る必要があるために、完全な接合モデルではなく仮留モデルだったため、ところどころスクリーン面が浮き上がったりパネル同士の隙間から光が漏れていたことです。
さて新型ペーパードーム、いかがでしょうか? ご興味のある方は、お気軽にこのページ最下部のお問い合わせフォームよりご連絡ください。なを今回の新型ペーパードームは一度組み立てると分解はできません。
※実は新型の製品版第1号のカスタム版が、今日から米国のinfocommでデビューしている頃です。内部展示用(顧客商談用)という事で一般公開はされないそうです。